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吹奏楽やアンサンブル楽譜の出版を行うムジカ・エテルナ合同会社のブログです。出版作品をちょっと変わった角度から紹介したり、新作の発売情報をいち早くお届けしたりします。演奏会の情報なども告知していきます。

スーザの創作と生涯⑦ ~「美中の美」

こんにちは!ムジカ・エテルナです。

 

ムジカ・エテルナから出版されます

「スーザの名曲マーチ特集」として石原勇太郎氏に執筆を依頼させていただきました

スーザの生涯と創作についてのコラムを、第7弾をお届け致します!

 

この機会に、スーザに対する見聞を少しでも広げていただけましたら幸いでございます。

それでは、スーザの創作と生涯。そして今回取り上げるのは「美中の美」です。

それでは、早速詳しく迫ってみましょう!

 

 

アメリカの作曲家ジョン・フィリップ・スーザ(1854 – 1932)は、「行進曲王」という二つ名で、世界的に知られている。しかし、彼の生涯と創作活動が(特に日本では)同時に語られることは、ほとんどない。そこで、ムジカ・エテルナ合同会社が販売する、スーザの楽譜の解説として、あまり知られていない、スーザの生涯と創作について取り上げることにしよう。

 

スーザの生涯③:1910年まで

1900年、スーザ率いるスーザバンドは、ついにヨーロッパへの演奏旅行を敢行する。この演奏旅行ではフランス、ドイツ、オランダのいくつかの都市で演奏会が行われ、そのどれもが大成功をおさめた。そして、翌年の1901年には早くも2回目のヨーロッパ演奏旅行が行われた。この2回目の公演では、イギリスで何度かの演奏会を行った。また、その中で、イギリス王室からの直々の依頼により御前演奏も行っている。また1903年にも御前演奏を行い、1904年末から1905年にかけては、4回目のヨーロッパ演奏旅行を行う。この4回目の演奏旅行は規模の大きなもので、イギリス、フランス、スイス、オランダ、ドイツ、オーストリアポーランドチェコデンマーク、さらにはロシアでも演奏会を行っている。そして、1910年には、ヨーロッパのみならず、世界一周演奏旅行を行った。このようにして、スーザとスーザバンドの名は、世界中に知れ渡ったのである。

 

美中の美

スーザとスーザバンドの人気は、もはや音楽家という枠を超え、エンターテインメントとして確立できるほどであった。そのことから、彼らの下には日々様々な演奏の依頼が舞い込んできた。その中には、博覧会でのイベントとしての依頼も少なからず存在した。ボストンの食品協会が毎年主催していた「ボストン食品博覧会」もその内のひとつである。スーザバンドは、この博覧会に数年間、毎年出演し続けた。そんな中、1908年の出演の折に、スーザはこの博覧会のために行進曲を作曲した。それが《美中の美》である。

 

《美中の美》の原題は《The Fairest of the Fair》であるが、この「Fair」には2つの意味がある。ひとつは「博覧会」、そしてもうひとつは「美人」である。つまり、本作の題名は「博覧会の一番の美人」と「美人の中でも最も美人」という2つの意味を持っている。スーザがこのような題名にしたのには、理由がある。

 

すでにボストン食品博覧会での演奏会を何年間か続けていたスーザは、そこで働く、若く美しい女性がいることを知っていた。スーザは、その美しさを《美中の美》の中で描き出したのである。

 

本作の興味深い点は、新しいセクションへ移る際に、必ず前奏の再現を挟んでいる点である。くだんの前奏は、装飾音符を伴う華やかなもの。第1マーチは前奏の付点リズムを使用した躍動感溢れる旋律が魅力的。前奏の再現が行われると第2マーチへ進む。第2マーチは、女性の軽やかな足取りを感じさせるもので、旋律と対旋律の対話が心地よい。またも前奏の再現が行われると、トリオに入る。トリオの旋律は、スーザの行進曲の中でも特に美しいものであろう。最初から1オクターヴもの跳躍でもって開始するトリオの旋律は、その後も七度など、幅広い音程の跳躍が目立つドラマティックなもの。エピソードに含まれる、1拍の総休止は、とても効果的。エピソードの後でも前奏が再現され、トリオが繰り返される。前奏を、行進曲の中に何度も繰り返すことで、全体の統一感が増し、形式的にもとても美しい行進曲に仕上がっている。

文章:石原勇太郎(音楽学)

 

ムジカ・エテルナから販売されている《美中の美》の楽譜はこちらからご購入いただけます♪

フルスコアのみの販売もさせていただいておりますので、是非この機会に選曲の参考にしてみてはいかがでしょうか?

 

store.musica-eterna.com

 

 

ムジカ・エテルナは皆様のコンサート作りを全力で応援いたします!