ムジカ・エテルナ オンラインストア公式Blog

吹奏楽やアンサンブル楽譜の出版を行うムジカ・エテルナ合同会社のブログです。出版作品をちょっと変わった角度から紹介したり、新作の発売情報をいち早くお届けしたりします。演奏会の情報なども告知していきます。

スーザの創作と生涯② ~「自由の鐘」

こんにちは!ムジカ・エテルナです。

 

ムジカ・エテルナから出版されます

「スーザの名曲マーチ特集」として石原勇太郎氏に執筆を依頼させていただきました

スーザの生涯と創作についてのコラムを、第二弾をお届け致します!

 

この機会に、スーザに対する見聞を少しでも広げていただけましたら幸いでございます。

それでは、スーザの創作と生涯。そして今回取り上げるのは随所に散りばめられた鐘が非常に印象的な「自由の鐘」です。それでは、早速詳しく迫ってみましょう!

 

アメリカの作曲家ジョン・フィリップ・スーザ(1854 – 1932)は、「行進曲王」という二つ名で、世界的に知られている。しかし、彼の生涯と創作活動が(特に日本では)同時に語られることは、ほとんどない。そこで、ムジカ・エテルナ合同会社が販売する、スーザの楽譜の解説として、あまり知られていない、スーザの生涯と創作について取り上げることにしよう。

 

スーザの生涯②:1900年まで

1880年代には、スーザの名はアメリカ全土に広がっていた。そして、1890年代には、スーザの名を世界に知らしめることとなる、ひとつの大きな出来事が起こる。1891年と1892年に、スーザはアメリカ海兵隊バンドと共にアメリカ国内の演奏旅行を行った。そして、この時期、スーザは「行進曲王」の名を実際に受けることになる。スーザの自叙伝“Marching Along”によれば、当時のイギリスの吹奏楽雑誌に次のような記事が掲載された ―『スーザは、ワシントンの海兵隊バンドの指揮者としてしか知られていなかったが、ヨハン・シュトラウスがワルツ王と言われるのと同じく、スーザには行進曲王の称号が与えられている』、『今やスーザの音楽は西海岸から東海岸まで、セント・ローレンス川からメキシコ湾まで、アメリカ全土のあらゆる場所で演奏されている。行進曲王はこの国を統治しているのだ!』。

 

今や行進曲王の名を手にしたスーザは、12年間務めたアメリカ海兵隊バンドの隊長を退役し、興行主のデイヴィッド・ブレイクリーと共に、新たに「スーザバンド」を立ち上げた。

 

1892年9月にスーザバンドの初の演奏会が行われるが、演奏会が行われる度、その評判を聞きつけた聴衆が集まり、最終的に大成功を収めることになった。そして、スーザの名は、スーザバンドと共に、世界へと広がってゆくのである。

 

自由の鐘

1893年、スーザは役者のフランシス・ウィルソンの依頼によって、オペレッタ《悪魔の代理人》の作曲に取り掛かっていた。しかし、スーザとウィルソンの間で、作曲代金の話がつかず、《悪魔の代理人》は未完のまま放置されることになった。その未完のオペレッタの中に、ある行進曲が含まれていた。この行進曲こそが、後に《自由の鐘》と呼ばれる行進曲である。

 

《自由の鐘》の題名の由来については、いくつかの説が存在する。まず“Marching Along”によれば、スーザは、宿泊していたホテルで「アメリカ」と書かれた幕に大きな鐘が描かれているのを見た。その直後、妻から送られてきた手紙に、スーザの息子がフィラデルフィアで「自由の鐘」に関係するイベントに参加した、という知らせが書かれており、それら2つの出来事から《自由の鐘》という題名を思いついたというのである。一方、スーザ研究の第一人者であるバイアリーによれば、スーザが友人と共に「アメリカ」というショーを見物した際に、幕間に下りた幕に巨大な鐘が描かれており、それを見た友人が、新しい行進曲の題名は「自由の鐘」が良いと話し、その後受け取った、上述の妻からの手紙が《自由の鐘》の題名の由来であるという。どちらにしろ、妻から手紙を受け取ったことは一致するため、この行進曲の題名は、フィラデルフィアの「自由の鐘」に関係することは確かである。このことからも、スーザ、そして当時のアメリカ国民に根付いていた、強い愛国心の一部を垣間見ることができる。

 

《自由の鐘》も、スーザによく見られる行進曲の形式に則っているが、第1マーチと第2マーチの主部に対して、トリオに多くの時間が割かれているのが特徴的。

 

全楽器のユニゾンによる短い前奏を経て、しっかりとした足取りの第1マーチが開始する。《ワシントン・ポスト》と同じく6/8拍子であるが、音楽の性格は全く異なる。スーザの枯れることのないインスピレーションを感じることができるだろう。第2マーチは、第1マーチに比べて長い音価が中心となる旋律。この第2マーチからトリオの穏やかな旋律が導き出される。なお、本版では編成に含まれていないものの、スーザはスーザバンドとの1925年の演奏の中で、トリオにチャイムを挿入している。

文章:石原勇太郎(音楽学)

 

ムジカ・エテルナから販売されている「自由の鐘」の楽譜はこちらからご購入いただけます♪

フルスコアのみの販売もさせていただいておりますので、是非この機会に選曲の参考にしてみてはいかがでしょうか?

 

store.musica-eterna.com

 

ムジカ・エテルナは皆様のコンサート作りを全力で応援いたします!