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吹奏楽やアンサンブル楽譜の出版を行うムジカ・エテルナ合同会社のブログです。出版作品をちょっと変わった角度から紹介したり、新作の発売情報をいち早くお届けしたりします。演奏会の情報なども告知していきます。

スーザの創作と生涯① ~「ワシントン・ポスト」

こんにちは!ムジカ・エテルナです。

 

ムジカ・エテルナから出版されます

「スーザの名曲マーチ特集」として石原勇太郎氏に執筆を依頼させていただきました

スーザの生涯と創作についてのコラムを、本日より掲載して参ります!

 

この機会に、スーザに対する見聞を少しでも広げていただけましたら幸いでございます。

それでは、第一弾としてスーザの創作と生涯。そして「ワシントン・ポスト」について詳しくみていきましょう!

 

アメリカの作曲家ジョン・フィリップ・スーザ(1854 – 1932)は、「行進曲王」という二つ名で、世界的に知られている。しかし、彼の生涯と創作活動が(特に日本では)同時に語られることは、ほとんどない。そこで、ムジカ・エテルナ合同会社が販売する、スーザの楽譜の解説として、あまり知られていない、スーザの生涯と創作について取り上げることにしよう。

 

スーザの生涯①:1880年まで

1854年に音楽家であった父の下に生まれたスーザは、幼少から音楽に親しみ、13歳になる頃には、オーケストラで使用されるほとんど全ての楽器と、ピアノが演奏できるほど力を付けていた。

1867年から1874年まで、スーザは父の薦めで、アメリカ海兵隊バンドで音楽的な訓練(特に音楽理論の訓練)を受けた。

その後、スーザはワシントンとフィラデルフィアで指揮者、さらには、興味深いことにヴァイオリン奏者として活動。

それらの活動と同時に、作曲にも力を入れ始めるが、1870年代の時点では、スーザはオペレッタに強い興味を示していた。

そして1880年、スーザはアメリカ海兵隊バンドの隊長に任命され、その活動を通して、傑作と呼ばれる数々の行進曲を生み出していったのである。

 

ワシントン・ポスト

アメリカ海兵隊バンドの隊長として、その演奏レベルを上げただけでなく、見事な作品を書くということで、1880年代には、スーザの名はアメリカ全土で良く知られるようになっていた。

スーザの名声が広がっていた1880年代のアメリカでは、新聞社が購読者の獲得に躍起になっている時期でもあった。そんな中、「ワシントン・ポスト」という新聞社が、小中学生を対象とした作文コンテストを開催することになり、その表彰式で演奏するための行進曲の作曲依頼が、スーザの下に舞い込んだ。その依頼に応える形で作曲されたのが、新聞社と同じ名前を持つ行進曲《ワシントン・ポスト》である。1889年のことであった。

同年に行われた表彰式で、スーザの指揮の下、アメリカ海兵隊バンドによって演奏されると、《ワシントン・ポスト》の評判は、瞬く間に広まった。

さらに、当時流行の兆しを見せていた「ツーステップ・ダンス」の音楽としても取り入れられ、後にヨーロッパではツーステップ・ダンスを「ワシントン・ポスツ」と呼ぶようにまでなったのである。スーザ自身も自叙伝“Marching Along”の中で、《ワシントン・ポスト》に関する様々な逸話を書き残しているように、《ワシントン・ポスト》は、当時からスーザの代表作として、世界中で人気を博したのである。

曲は、スーザの行進曲に典型的な形式を取る(スーザの行進曲の型については《星条旗よ永遠なれ》の解説を参照のこと)。全楽器のユニゾンによる半音階的な前奏に続いて、親しみやすくも厳かさも併せ持つ第1マーチが奏される。木管楽器が主体となって奏する、跳躍の多い旋律の第2マーチを経て、そのままトリオへと繋がる。トリオは第1マーチと第2マーチの性格が結合したもので、その後に現れるエピソードも前奏の影響が見られるなど、全体が統一的な性格でまとめあげられている。《ワシントン・ポスト》は、スーザが好んだ「無駄のないスタイル」で書かれているものの、魅力的な旋律と、それらの統一によって、行進曲という機会音楽的な性格を越えて、見事な音楽作品として成立している。

ワシントン・ポスト》の大成功を目の当たりにしたアメリカの他の新聞社は、いわゆる「社歌」のように、それぞれの会社のための行進曲を持ち始める。当時のアメリカでは、スーザはそれほどまでに影響力を持つ人物のひとりだったのである。

文章:石原勇太郎(音楽学)

 

ムジカ・エテルナから販売されているワシントン・ポストの楽譜はこちらからご購入いただけます♪

フルスコアのみの販売もさせていただいておりますので、是非この機会に選曲の参考にしてみてはいかがでしょうか?

 

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